乳がんの場合、部位や進行度、悪性度によって異なりますが、
寛解が見込める場合、標準治療に数ヶ月〜1年ほどの時間を要します。

つまり、その期間はこれまでの生活に「治療」という項目が加わる事になります。
一見すると、より大変になる!と捉えてしまうところですが、
生活スタイルを見直し、断捨離してより心地よいものに再構築する絶好のチャンスです。

そう前向きに捉えて、見直すと思わぬ副産物も得られるはずです。

 

生活の質(=QOL)を意識した治療ライフを実現するには、「自分の価値観」を意識するのが重要になります。

 

どうしたら、忙しいながらも楽しく過ごせるのか

どうしたら、モチベーションを維持し続けられるのか

どうしたら、無理のない毎日を設計できるのか

 

答えを導くとき、自分の価値観やこだわりを基準に考えると、自然に納得のいく生活設計を築くことができます。

 

ちなみに私の場合は、

1)達成感を味わいたい

2)経験や体験は財産。これを役立てたい(一人損は嫌だけど、一人勝ちも苦手。Winwinの関係を作りたい)

3)転んでもただでは起きない(=V字回復が好き)
4)できるところは、自分でやりたい

といったところが、こだわりポイントでした。

 

余談ですが、すぐに自分のこだわりが挙げられたのは、i-colorのおかげ。

仕事柄、ハッピーキャリアの基本は、価値観を意識することと提唱していたこともあり、自分軸が揺らがなかったことは、治療中の精神安定に大いに役立ちました。

 

上記のような価値観をもとに導き出した私の答えは、

 

A)ブログやSNSで、治療の様子や気づき、有益な情報を発信する

B)仕事内容を整理し、治療中でも工夫次第でできる仕事と、そうでないものに仕分。そうでない仕事に関しては、協力してほしい内容を伝え、体制を作る

C)(一人暮らしなので)家事、主に食事の質を落とさず、手抜きができるように食材の宅配サービスなどの活用やサポーターと連携体制を作る

 

 

A)は、1)〜4)の全てが満たされる私にとっては「魔法」のような対処法でした。

使命感を味わいつつ、周囲に発信することで、いちいち説明しなくても状況を察してもえる環境ができ、手助けしてもらいやすくなりました。また、同じ病で闘病中の仲間ができたり、世界が広がるという嬉しい副産物を得ることもできました。

 

B)をすることで、自分としては手放したくない(=やりたい)仕事なのに、周囲の配慮から奪われる結果になったしまった、ということを防ぐことができ、仕事へのモチベーションを維持するのに役立ちました。周囲も、何をサポートすればいいのかが明確なので、かえって連携がよくなるという嬉しい結果も。

 

C)をするために、生活習慣や食習慣を見直すことができ、食生活が劇的に改善。手抜きをしているのに、血液検査のデータがみるみる改善したり、綺麗にダイエットができたり、肌の調子がよくなったり、もちろん時短で心身的に余裕も生まれたりと、いいことづくめ。愛犬とのラブラブ時間も充実しました(笑)

 

と、いった感じで、生活スタイルもより健全に豊かに変えることができました。

 

実は、価値観は治療の選択にも役立ちました。

 

1)の達成感を味わいたい、という価値観から、あえて術前での抗がん剤治療を選択。

まだ、右胸にぽんちゃんがいる状態で投与を受けたので、薬の効果を実感することができました。そのおかげもあって、通常、回を重ねるごとに辛くなる治療が、ワクワクするものに変わり、大いに盛り上がったことを覚えています。

 

そんな気分の盛り上がりに伴い、食生活改善にも拍車がかかり、血液の状態も治療前よりも良い、理想的な状態になり、免疫力も劇的に改善してました(笑)。

 

私の場合、結果的に価値観を基準に選んだ治療は功をそうしました。

ただ、選択するときは、思うような治療効果が出なかったときも想定して吟味しました。

 

最終的に、もし思うような効果が出なかったとしても、大事には至らない予防策をお医者様に提示していただきつつ、最後は「ここまで考えたんだから、どんな結果でも受け入れられる」という、人事を尽くして天命を待つ状態にできたことがよかったと思っています。

 

 

この治療を選択したら、必ず結果が出る、という保証はありません。

だからこそ、悪い結果となったときでも自分を納得させるだけの材料=理由は必要だと思います。

 

そんな理由づくりにも「自分の価値基準」は大いに役立つはずです。